|
|
|
|
|
3-4-3[C] |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
CF |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ST |
|
|
|
|
|
|
ST |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
LWB |
|
|
|
CH |
|
|
|
|
CH |
|
|
|
RWB |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
CB |
|
|
|
|
|
|
CB |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
SW |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
GK |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
96/97シーズンのセリエAで旋風を巻き起こしたのが
当時ウディネーゼの監督を務めていた、元日本代表監督の
アルベルト・ザッケローニである。
1990年代前半〜中期にかけてのカルチョの国
イタリアサッカーでは、サッキが生み出したゾーンプレスが
一大旋風を巻き起こし、新時代の戦術隆盛を極めており、
必然的に各チームが敷いた布陣もゾーンプレスと
相性の良い4−4−2が主流となっていた。
ザッケローニはその流れを受け継ぐ世代の監督とし
大一番を迎えることとなる。
当時はまだ売り出し中だったザックは、その頃セリエAで
王者に君臨していたユベントスとの試合を迎える。
就任から1年半が経過し、アモローゾとビアホフという
2枚看板を軸にしたチームにザックは手応えを
感じていた時だった。
もちろん、当時ウディネーゼを率いていたザックは
ゾーンプレスを用いた4−4−2を採用していた。
ところが、前半2分にSBのジェノーがレッドカードを
提示され一発退場を受けてしまう。
試合開始直後の退場劇。
この一つの偶然から起こったドラマによって、
彼の運命は劇的に回り始める。
王者ユベントスを相手に残り88分を10人で戦う苦境に
追い込まれたザック。
通常、この様な局面に立たされた状況で、9割以上の
監督がフォワードを1枚削ってディフェンダーを
補充する対策を打つのがサッカーの定石だろう。
しかしザックは考え抜いた結果、チームの
2枚看板であるツートップのいずれかを前半2分で
交代させてしまうのは得策では無いとし
このまま3−4−2の布陣で戦い続ける事を決断する。
元々、中堅チームだったウディネーゼのチーム構成は
ディフェンスラインに守備に長けた選手を配置し、
中盤は攻守に渡りハードワークができる労働者を並べ、
得点はツートップの決定力に任せるという戦術だった。
10人になった事で、スリーバックは余計な事は考えず
とにかく守備だけに専念することができ、
かえって安定感が増し、中盤の4枚は持ち前の運動量を
駆使して攻守にフル稼働。
結果、試合はザックの狙い通りビアホフとアモローゾで
3得点を叩き出し、3−0の快勝に終わる。
この一戦で3−4−2の布陣に確かな手応えを感じたザックは
はれを転機に、シーズン終盤に猛烈な追い上げを見せ5位、
クラブ史上初めてのUEFAカップ出場権を獲得する。
ディフェンスのスペシャリストが守備に専念することで
3人のディフェンスラインでも対応できるならば、
余った1人を前線に回してみようと言う考え方かたら、
ザック式3-4-3が誕生。
翌シーズン、ザックは3-4-3を本格導入し衝撃を与えた。
予算の少ない地方クラブのウディネーゼが昇格3年目に
ACミランやASローマといった強豪クラブを抑えセリエAで
3位に食い込む大躍進を遂げ「奇跡のウディネーゼ」と
賞賛された。
この手腕が認められ、ザックは翌年ACミランに引きぬかれ、
新監督として抜擢される。
ミランを指揮するにあたって、ザックは自身のサッカーを
具現化するために、得点源のビアホフと、彼にパスを
供給する役目を担うヘルベグをセットで連れてきた。
早速ACミランでも3−4−3の導入に着手する。
シーズン途中でフォーメーションを変更することになるが
スクデット(リーグ優勝)を勝ち取る。
ザック式3−4−3というイメージが定着したのがこの頃である。
|
3人のフォワードは大きく開きサイドに張るウイングを
置かず、センターフォワードの背後にセカンドトップとして
2人を配置する。
セカンドトップをシャドーストライカーとも呼び、影の様に
つまり、近くでセンターフォワードをサポートする。
ワントップツーシャドーが形成できる。
従来のウイングを配置した場合、相手がフォーバックのとき、
センターバック2人に対してフォワードが1人という状況で
数的不利のため、なかなか縦へのパスコースが作れず、
縦パスが入らない。
もしくは入ってもカットされる確率が高いなど。
しかし、このワントップツーシャドーにすることで、
センターバック2人に対して、フォワード3人のため、
中央のエリアが数的優位が作り出せるのが最大の特徴で
縦パスを有効に使った攻撃が機能しやすい。
ただ、サイド攻撃はウイングバックの単独突破に頼ることが
多くなる。
セントラルハーフはディフェンスラインからボールの
引出しや正確なロングパスで攻撃の起点となり
攻撃をコントロールする役割を担っており、パス能力、
展開力が求められる。
また、センターバックにも同じ役割が求められており、
全体の流れを読む力、こぼれ球に対する競り合い能力、
さらに的確なパスも必要となる。
|
スリーバックの性質上、どうしても両サイドに大きな
スペースができやすくサイドアタックに対して脆さを見せる。
ウイングバックとセンターバックの連携で流動的な
サイドのケアが必須である。
センターバックの両サイドにはサイドバックもこなせる
センターバック、もしくはセンターバックもこなせる
サイドバックを配置。
基本的にはマンツーマンを採用し、自分のポジションに
近い相手選手を捕まえボールの出どころを
徹底したハイプレスで、潰しにいく。
局面によってはゾーンディフェンスを併用して、守備を行う。
また、オフサイドトラップを仕掛けることもあるが、
失敗するとディフェンスラインの裏に膨大なスペースを
与えてしまう諸刃の剣となってしまう。
オフサイドトラップは、ディフェンスラインでの連係が
非常に重要であるため、コミュニケーションが必要である。
これらをどう織り交ぜて守備を行うかはセンターバック3人と
両ウイングバックの戦術理解度によって決まってくる。
両ウイングバックの2人はしっかりとディフェンスラインまで戻り
攻守を兼業するキーマンで、高い技術と豊富な運動量が必要。
相手サイドプレーヤーへのプレッシング、ボール奪取、
パスコースの限定、クロスのこぼれ球への処理、
サイドのスペースを消す、ディフェンスラインでの
カバーリングなど仕事量が非常に多く、どの仕事を優先するかで
局面は変化する。
また、チーム全体のバランサーの役割を担い、ポジショニングが
引き気味なれば守備的に前がかりになれば攻撃的なる。
|
|
|
|
|
|
|
3−4−3[C] |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|